身が締まりしっかりとした歯ごたえのふく刺し。養殖のふくは通年いただけるが、天然ものは1月から3月までの限定となる
冬が近づくと、ふくが恋しくなる。リーズナブルにとらふく料理が味わえると聞き、福岡県宗像市を訪れた。福岡市内から車で約60分。宗像市は暖流と寒流がぶつかり合う玄界灘に面し、春はアジ、夏はイカ、秋はサワラ、冬はアラ、とフルシーズンで魚介がとれる。若手の多い活気ある漁師町で、鐘崎漁港には大小ズラリと漁船が並ぶ。「どっから来たと? あんた生きた魚見るね?」。漁師さんに声をかけられ、船内の生け簀をのぞいた。ビューン。活きのいい魚は、地元のブランド魚の「釣りあじ玄ちゃん」。旬の玄ちゃんは脂がのって美味いそうだ。
とらふくのことなら小林さんに聞けと言われ、向かった先は「御宿 はなわらび」。まずはふく刺しをいただいた。薄く引いた身は、しっかりとした弾力があり、キメ細かい繊維がはっきりとわかる。カボスのみでシンプルに味わうもよし、小ねぎやもみじおろしと一緒にポン酢で味わうもよし。口に残るふくの余韻を楽しみたい。社長の小林正勝さんは宗像観光協会の事務局長も務め、玄海とらふくのブランド化に長年携わってきた。「せっかく鐘崎で天然のとらふくがとれるんだから、地元の玄海ブランドとして全国に広めたかった」。その夢は5年前に実現し、今では約30隻のふく延縄船団から天然のふくが地元で水揚げされる。とはいえ、漁獲高も年々減少しており現状は厳しい。それでも、質を落とさず価格を上げずがモットーだという。
さらにふく刺しをひとくち。背景にある地元の心意気を知って味わうふくの身は、一層味わい深いものだった。
| [ 問い合わせ先 ] | 宗像観光協会 |
|---|---|
| [ 住 所 ] | 福岡県宗像市深田588 |
| [ 電 話 ] | 0940-62-3811 |
| [ URL ] | http://www.genkai.com |
| [注目情報] | ※玄海とらふくが食べられる飲食店、旅館はホームページでチェックを※玄海とらふくブランド化推進協議会主催による「玄海天然とらふくまつり」を、2008年3月中旬に開催。詳しくは、鐘崎漁協共同組合まで[電]0940-62-1500 |
「御宿 はなわらび([電]0940-62-0107)」の「玄海とらふくコース」(6300円)。天然のふく刺し、ふくちり、ふっくらとした身のふくの唐揚付き
海沿いには数件の魚屋があり、個人はもちろん料理人も買いにくる。干しイカがくるくると回り、漁港ならではの風景が見られる
年間約5000トンの水揚げを誇る鐘崎漁港。なかには一本釣りされた26cm以上のアジ「釣りあじ玄ちゃん」などのブランド魚も





